ちょっと前は顔面に押し付けられたのだが。
いずれにせよ、ザッキーは枕元にしゃがみこみ、俺がメガネを掛けて、ありがとうと頭を撫でてやるのをビリケンのような座敷わらしのような笑みで待っているので、ただちに起きるよりない。
朝に弱い俺も最近は寝坊とは無縁だ。おかげで昼間眠いが。
…早く寝よ。
…ギリギリってのはいい言葉だ。生きてるって感じがする。(21世紀、弱小IT企業に勤めるいちサラリーマンの言葉)
普段偉そうにあることないこと能書きこいてて、その実なんという愚かしい体たらくか…。
…誰しもそうだと思うが、俺も己の内面に、ドキュソな自分を飼っている。
それは自分の部分なので都合よくホイホイと追い出したりは出来ない。
だが俺は、これから内なるドキュソな自分を、持ちうる限りの理知と鋼の決意で制御しきり、やがて決別する事を固く決意した。
むしろ誓う。
…まあ、何があったか書いてないのでちんぷんかんぷんだろうが…これは俺の、俺に対する決意表明であり、指針の確定だ。
これが今日、帰り際に一気に解決した。まだ詳細は詰めてないが、明日には実装もほぼ出来る確信がある。
この仕事をしていると、時々訪れるこういう瞬間は、実に面白い。
まさに、鍵を開けた感覚。ずっと前進を阻んでいた壁に扉があり、それが開かない。
だが、ほんの小さな鍵が、カチリとハマってさえしまえば、これまでびくともしなかった扉は、もはや当たり前のように、押せば押しただけ開き道が拓かれる。
あーでもないこーでもない、なんでダメなんだ無理なんじゃねえか、いやそんな筈ねえだろうと伸吟している最中に、ふと…「あれ?」と、今まで考えもしなかった解決方法が見つかる、鍵に指先が触れる瞬間というのは…人間の能力の神秘だな。
開発者というのは比較的楽にこの快感を味わえる職業な気がして、結構気に入っている。
送信者 D3000(AF-S DX NIKKOR F1.8G) |