愛娘のザッキーも、はや2歳半。
最近は週に一度のプレ保育に通っており、今日もその日だった。
ところが、家を出るところで一悶着。ザッキーが玄関で最近買ってもらってお気に入りのサンダルを履いてしまい、スニーカーに履き替えてくれない。妻の話では今日は外で運動するからスニーカーでと言われているそうで、何が何でもスニーカーで行かせねばならない。
…こういう場合に、親に依頼されていることをしっかりやらないという責任放棄はしたくない。だから、俺も協力して説得したのだが、ザッキーは玄関で泣き崩れるばかり。
時間がまだ少しあったので、一度家に入って気持ちを切り替えさせようということになった。
リビングで、子供が靴を履いている絵のある本はないかと俺が絵本を漁っていると、涙と鼻水で顔をぐちゃぐちゃにして号泣しながらザッキーが寄ってきた。不憫である。
最近はよく言葉で出るとは言え、まだまだ片言。それがしゃくり上げながら、切れ切れに俺に何か訴えている。
「…うえ…えぐ…まちがってう…まちがってうおぅ…。いち、にい、さん、しい、ご、ろく、なな、はち、くう、じゅう…まちがってう…」
一体、何を言ってるのか。おそらく、妻が靴を代えさせようとしたことに関連して「間違ってる」と言いたく、怒られた悲しみから、数字を数えるという自分の得意技でもアピールしているのだろう…。不憫ながら何とも愛おしいではないか。
…と、その時は思った。
が、その後、何とか持ち直して無事に妻とスニーカーを履いたザッキーが保育園に出かけ、俺も出勤し、駅までてくてく歩いている途中に、ハッと気付いたのだ。
玄関で号泣して愚図るザッキーに、怒った妻が、「あと10数える間に靴履かないなら今日は行けないよ!10、9、8、7…」とカウントダウンをして見せたのだった。
当然、そんな手は通じなかったのだが、そのカウントダウンが。数字の順序が逆だ、「間違っている」と。正しくは1、2、3という順序だと。ザッキーが号泣しつつ俺に訴えていたのは、実は母の数字の数え方の間違いを指弾していたのであった。
そう言えば前にも何かそんなことがあった気がする。
お気に入りのサンダルが履けないショックの中でも、人の間違いは見過ごさず、指摘せずにはいられないザッキー。まさに俺のDNAだと、余計に可愛く思ったのであった。
いや、話題を他に逸らしたいだけだろ。多分奥さんはわかっていると思うぞ。ひろし
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