2012年3月24日土曜日

デミング博士について(備忘録)

デミング博士は、俺の好きな博士シリーズの一人である。そこでちょっと、彼の教えをメモっとく。…とは言っても、ソースはWikipediaのみなので、深い情報を期待しないように。特に解釈部分は俺のセブンセンシズなので、何かちゃんと知りたい人は、原著と言わずともせめて下記のページへ行くことを推奨する。

http://ja.wikipedia.org/wiki/W・エドワーズ・デミング

== デミング哲学の真髄 ==

品質を次のように定義したとき
Quality = Results of work efforts / Total costs
品質向上を心がけるということは、コストを常に低下させることに他ならない。


…品質というのはコストと切り離しては考えられない。いくら完成度の高いプロダクトでも、法外に高価なものは高品質とは言えない。コストが高いのに価格が安すぎれば、そのような状態は維持出来ない。


== 深遠なる知識(Profound Knowledge™) ==

経営者がもつべき深遠なる知識の体系。経営者じゃなくても持つに越したことはない。というか、いくらかでも「管理」が仕事になる人間ならば、身につける努力をすべきだろう。


  1. システムの理解(Appreciation of a system)- 供給業者、製造、顧客を含めたプロセス全体を理解する
  2. ばらつきに関する知識(Knowledge of variation) - 品質のばらつきの範囲と原因を知るため、統計的標本化技法を利用する
  3. 知識の理論(Theory of knowledge) - 知識を説明する概念と知ることができる限界(認識論)
  4. 心理学に関する知識(Knowledge of psychology) - 人間性の概念


これらは体系であって、いずれも欠けてはならない。いずれかが欠けた状態では一つも無いに等しい。車のタイヤみたいなものか。



== デミングの14のポイント ==

非常に有名な、マネジメントにおける原則。


  1. 競争力を保つため、製品やサービスの向上を常に心がける環境を作る。最高経営者がその責任者を決める。
  2. 新しい哲学を採用する。我々は新たな経済時代にいる。遅延、間違い、材料の欠陥、作業の欠陥などの一般常識となっている水準には満足できない。
  3. 全品検査への依存を止める。品質は統計的手法で向上させる(完成後に欠陥を見つけるのではなく、欠陥を防止せよ)。
  4. 価格だけに基づいて業者を選定することを止める。価格と品質によって選定する。統計的手法に基づく品質保証のできない業者は排除していく。
  5. 問題を見逃さない。全体(設計、受け入れ材料、製造、保守、改良、トレーニング、監視、再教育)を継続的に向上させるのがマネジメントの役割である。
  6. OJTの手法を導入する。
  7. 職場のリーダーは単に数値ではなく品質で評価せよ。それによって自動的に生産性も向上する。マネジメントは、職場のリーダーから様々な障害(固有の欠陥、保守不足の機械、貧弱なツール、あいまいな作業定義など)について報告を受けたら、迅速に対応できるよう準備しておかなければならない。
  8. 社員全員が会社のために効果的に作業できるよう、不安を取り除く。
  9. 部門間の障壁を取り除く。研究、設計、販売、製造の各部門の人々は様々な問題に一丸となって対応しなければならない。
  10. 数値目標を排除する。新たな手法も提供せずに生産性の向上だけをノルマとしない。
  11. 数値割り当てを規定する作業標準を排除する。
  12. 時間給作業員から技量のプライドを奪わない。
  13. 強健な教育プログラムを実施する。
  14. 最高経営陣の中で、上記13ポイントを徹底させる構造を構築する。


しかし、この7番、10番、11番、12番あたりは、実際の”マネジメント”連中が、目にしたことはあるであろうにいつも奇麗さっぱり忘れてくれるものである。


== 死に至る七つの病 ==

これはさほど有名ではないのかも知れないが。これらの兆候、現象は企業を殺すと。

  1. 目的の不変性の欠如
  2. 短期的利益の重視
  3. 性能/利益率/年度ごとの成績による評価
  4. 経営の流動性
  5. 目に見える点だけで企業を運営すること
  6. 医療費用が過大となること
  7. 成功報酬目当てで訴訟を起こす弁護士が増えることで、保証のための費用が過大となること
1番、経営理念というものがしばらく前からアチコチでやけに重用されてるが、そいつがお題目になっているのに目をつぶって「うちには理念がある」などと言い、現実的な目的が変転するどころか何だかわからないという事は有り勝ちじゃないの?

2番、四半期目標が無いと利益もスキルも上がらないなんてのは妄想だろ、と。


== PDCAサイクル ==

昨今の管理職が上から下まで大好きな、いや管理職だけじゃないな、営業から何から、とにかくビジネスシーンで何かプレゼンテーションしないといけないなら「…というようにPDCAを回して行く、それによって継続的に改善が…」とか言っておけば安心だっつうような陳腐な言葉である。

陳腐であるが皆が信奉するこれが、デミング博士らの発案によるということはPDCAという用語ほどにはメジャーじゃない。

  1. Plan(計画):従来の実績や将来の予測などをもとにして業務計画を作成する
  2. Do(実施・実行):計画に沿って業務を行う
  3. Check(点検・評価):業務の実施が計画に沿っているかどうかを確認する
  4. Act(処置・改善):実施が計画に沿っていない部分を調べて処置をする
原案は素晴らしい。だが、しばしば、チェックはただの検査となり、それこそデミング博士が品質について述べた「検査に依存しない」という方針に思い切り反してしまう。

机上論のプランを実行し、検査すれば合わないのは当然で、その当然の結果に対して「ああ、現実は難しいですね、まあ」とろくな改善をしないか、でなければ現行プランをごっそり捨ててしまうかで、つまり、サイクルなど回っちゃいないのがよくある現実だ。

== PDSA==

…という状況を憂慮したデミング博士は、自身の考えが正しく伝わらない理由を、

because he felt that "check" emphasized inspection over analysis.
と考え、CheckをStudyに変更した。

改善に必要なのは分析である。企業活動が今、その瞬間から始まるわけではないのなら、むしろSAPDと言ってもいいくらいだ。ノープランでも何かしていたなら分析は出来るはずで、その分析結果なくして改善プランなどあろうはずがない。

意気込んで業務改善をしようとして最初から転けるのは、現状の分析をせずに、妄想だけでプランを建てて、「ルールなので」と現場に押し付けるような傲慢さを、「PDCAサイクルを回し」て行くことになるのだなどと、激しい勘違いをしているからだろうな。

2012年3月19日月曜日

思川(粕尾川)のヤマメ

たぶん2年くらい振りの渓流釣り。何せ、昨年の解禁のために新調してあったウェーダーがやっと初めて実戦投入されたのだから。

今年は行くぞという景気付けに、昨年も多忙で逃してしまった思川の解禁に行こうと決めていたのだが、当日の天気予報では栃木に雪だるまがウロウロしていたのでビビり、解禁翌日になってしまったが、何とか行って来た。



久々で勘は鈍っているし、弾薬は貧相だし(つまり愛用していたルアーの多くがロストしたままで、フックが折れたり錆びてるのも多い)、おまけに行ってない間に粕尾にも災害があったようで地形変わってそうだし、大丈夫かなと思ったが。

さすが俺、と言う事できれいなヤマメを拝むことが出来ました。いや、やっぱり奇麗なものを見ると心が和むね、うん。

10時前くらいから開始して、ミノーでの1匹。




ちなみに、新調されているのはウェーダーだけではなかった。これまた2年ほど前に折ったままになっていた長年愛用のカーディフ60ULに代わり、カーディフX 62UL。やっぱ高級感あって愉しいわ。それに、やはりULに限る。俺の釣り方ではXULはイマイチ合わない。

1匹目はミノー(SMITH Panish 9F)、その後スピナー(SMITH AR-S)、スプーン(SMITH PURE 2.7g)などで計6匹。1日違いとは言え、やはり解禁当日ほどの魚影は無かったのでこんなもんじゃなかろうか。満足した。7匹目を狙っていたが、夕方の最後、集中力も切れて足許が覚束なくなって来たところで撤収した。疲れて来ると、つい楽しようと転石に乗ってしまって転びそうになる。キャストも雑になって対岸にスプーン刺してロストしちまったし。


しかし、今日はここ数日では寒くない日だったとは言え、小雨の降るコンディションながら、快適な釣行だった。やはり透湿ウェーダーはいい。以前のゴムのに比べ、そもそも軽いし、ムレないので冷たくならないし。靴下も今回はウールの山用を履いていたし、しかもこれまた直前に購入しておいたクロロプレーンの3フィンガーレスグローブもしていたから、何せ足と手指がつらくない。身体は普通に防寒しているし。

ところでいつも、なんで皆は夕マヅメの前に帰ってしまうのだろうと思ってるのだがね。今日も、最後にほとんど人がいなくなってから、一気に反応が良くなった。




そんな中の一匹だが、これもミノー、パニシュ。買いに行った店の在庫の都合で7cmなのだが、この大きさでも普通に釣れるんだよね。3cmや4cmのミノーなんてしみったれてて投げてらんないですよ(とか言って管釣りでは2cmのも投げてるけど)。



とは言え、アピール抜群で、ミノーを泳がす距離がない時にも使える。と言う事で、渓流で重宝しているのはやはりスピナー。スミスのARスピナー、その原型のパンサーマーチンは、とりわけ良い。今回も、パイロットルアーとしてずっと投げてて、特に淵なんかで食い切らない場合にミノーを試す、という感じだった。



しかし、コンパクトデジカメを持って行かなかったのは失敗だったな。一眼レフは持っていたが、それ持ってウェーディングする気にならなかったし、結局iPhoneで写真取ったのだが、それだって気が気じゃなかった。今度から釣りの時はやはりLumixとか持ってこう。



2012年3月6日火曜日

さば味噌がうまかったのでメモる

サバ味噌というのはたまに無性に食いたくなるメニューのひとつだが、以前は職場近くにばばあ食堂みたいな定食屋(良い意味で言っている)があってたまに食っていたものの、今の職場の近くにはそういう店がないので、ずっとご無沙汰だった。

ところが先日、スーパーで脂の乗ったサバが安かったのを発見して、初めて自作してみることに。これがうまいこと自分好みの味になったので、メモっておく。



  • 味噌 大さじ4
  • 酒 大さじ4
  • 生姜 1かけをスライス
  • 砂糖 大さじ4
  • 水 2カップ
  • 醤油 大さじ1と半分

味噌は、2さじは八丁味噌、2さじは普通の味噌(出汁入り合わせ味噌)にした。八丁味噌はこれ以上は増やさない方がいい気がした。変えるなら少し減らすとマイルドか。
あと、効果があるかよくわからないが、どこかのレシピに従い1さじは煮込み後に加えた。

水は、最初に見たレシピでは1カップだったが、鍋に入れたら少なそうだったので倍にした。煮詰めればいいかと思ったが心細かったので、他のレシピでは足している醤油を足すことにした。

手順は、

  1. 2枚おろし済みのサバに
  2. 熱湯を掛ける(まな板の上でやったが、やはり網やザルが良さそうだった。カスっぽいの出たから)
  3. 切って、十字傷を入れて、
  4. 仕上げ用味噌以外を解いた圧力鍋で30分煮て
  5. 仕上げ味噌入れて適当に煮詰めて、
  6. おしまい。




これで十分に背骨まで食えた。もうちょい煮たらもっと背骨がやっこくなるだろうが、身が正体無くならないかな?今度はそうしてみようか。

あと今回、酒と醤油が安っぽかったのだが、ここをもうちょい高級にすれば、よりうまいんじゃないかなあ。

清里の夜 (スノボー行った)

今シーズンは引っ越しも済んだし、ずっと御蔵入りしてるボードを一度でも使いたいなと思っていたが、ずいぶんと予定外な形でそれが実現された。

会社の同僚、と、言っても、以前一緒にボードに行った部下じゃなくて、同じかやや上のが組んだ企画に乗っかる形で、金曜夜発の一泊予定で清里へ。

なんと、同僚の一人が別荘がある(正確にはその親の所有だそうだが)とのことで。

正直、たいした期待もせずに、金がかからず時間も楽になるならとホイホイ着いて行ったのだが、まさかのリアルログハウスに薪ストーブ。


薪のはぜる音を聞きながら、赤松と白樺に囲まれたログハウスで深夜に缶ビール、という時点で俺のリゾート要求は十分に満たされてしまった。

「まったり」という表現も懐かしいが、まさにそんな感じの春間近の夜長に、もうおそらく本来の別荘オーナーのものであろうワインの一本でも空けて明日はそのまま帰ろうかなんて冗談も出たが、初志貫徹のために3時頃就寝。布団を使ってしまうと片付けが面倒だからとかそんな理由で寝袋で雑魚寝したが、意外なほどに暖かく、よく眠れた。

朝、予定より1時間ほど遅く起きて外に出ると、わずかな雨があるものの、おそらくゲレンデは雪がぱらつくくらいじゃないかという紙一重な天気。赤松にはリスが。前日には鹿もいたし。いい気分だ。



結局ゲレンデは、いくらか雪が舞うがあまり寒くないという具合のよい天気。

ファミリーに人気の平和なスキー場で、のほほんと楽しむ。

久々のボードはワックス不良もあり手こずったが、午後にはイイ感じになってきた。が、それと同時に体力も尽きてきて、足許が怪しくなってきたところで早めの終了。

日帰り温泉で露天風呂につかり、自分は運転が無いのをよい事に生ビールまで飲んでしまった。

飯も、高級なものは食わなかったがいろいろ面白かったし、久々にまともに遊んだ。

いやあ、やっぱりこういうのは必要だな。


ところで、行ったゲレンデが「サンメドウズ」というところだったのだが、昼にバイキングを食べた(これがまたなかなかうまかった)食堂のトレーには「キッツメドウズ」と。

なんと、俺が学生時代に一度だけ、仲が良かった高校の部活の先輩に誘われてスキーに(後から思えばそれは合コン?的スキーだったのだが)行って、全然合わない道具(身長より30cmくらい長い板とか)を借りて、何もわからずに頂上に行って散々な目に遭い、「二度とウィンタースポーツなどやらねえ」と誓ったゲレンデであった。滑ってる途中で結構、景色も思い出して来たし。

ただ、その時に、「スノボーの方が簡単そうだ」と思ったのが、数年前に突然ボードに挑戦してみたきっかけの一つだから、これは、そう、ある意味ではリベンジになったのかな。今回は、まあ、普通に滑ってこれたからな。あの時には「俺このまま遭難するんじゃないか」と思ったほど長かったコースも、今となっては短いくらいで。

ま、良かった良かった。