2012年1月22日日曜日

豚まんは電子レンジじゃダメだ

昼に豚まんを食った。

チルドの。どっちかと言うと俺はこの食い物を「肉まん」と呼ぶのだが、こいつはパッケージにそう書いてあったから豚まんである。

いずれにせよ中華まんは昔から好物だ。だが、最近は家で食うとどうもしっくり来ない。中村屋や井村屋であってもだ。

これらブランドはコンビニの中華まんも供給しているので、基本的にモノが悪いわけじゃない。少なくとも、俺の期待値までのクオリティは有しているはずだ。

となれば、しっくり来ない原因はやはり、調理方法。つまりレンジで温めるというやり方にあるのではないか。最近では、パッケージにも「電子レンジの場合」という温め方が記載されており、中華まんの公式調理方法となった観のあるレンジ法だが、かつては、レンジで調理して失敗するアイテムの代名詞といえば中華まんという時代もあった(と思っている)。

つまり、中華まんを普通に電子レンジで温めれば、確実に固くなる。中華まんは蒸すもの、つまり熱と同時に水分を加えながら調理するものであるのに、電子レンジは水分を奪ってしまうからだ。本体を炙らずに水を温め、その高温の水分を本体に含ませることで本体を温める「蒸す」という方法と、本体に含まれる水分を温め、気化に脱水を招く電子レンジ。考えてみればまったく逆のアプローチである。

と言う事で、昨今ではご存知の通り、この手の調理においては水をふりかけラップして…という手法が編み出され、定着するに至ったのだが、果たしてそれで問題は解決しているのか。

電子レンジはやはり、蒸すと同等の機能は持っていない、それが、俺が家で中華まんを食う際の残念な感覚につながっているのではないか。

ということで、蒸すことにした。

が、蒸し器がない。

そこで編み出したのが以下の方法だ。



パスタ鍋の内鍋に凧糸を二本、橋渡し(つまり穴に通して輪にした状態)し、そこに割り箸を2膳、枕木状に配置した。やや綱渡り的な不安定さがあったが、慎重に扱えば十分役に立つ。あとは通常通りに外鍋に入れ、低く水を張って沸かし、蒸すのみだ。ちなみに蓋に布巾を挟んだりはしなかった。最近の鍋は密閉性が高いというか、蓋の合いが良いから大丈夫じゃねえかなと。

これで、3つの豚まんを蒸した。

豚まんは4つ入りだったので、1つは、レンジで調理した。茹でもの専用のザル状のインナーが付いたタッパーでなので、電子レンジ的にはだいぶ頑張った調理だ。蒸すのは湯が沸いてから5分からかかるが、電子レンジは1分で出来るのは確かに美点だ。

だが、出来上がったものは、やはり違っていた。

まず、皿に載せようと掴んだ時点で明確に手応えが違っている。レンジのは普通にやわらかくなっていたが、蒸したものはもっとこう、指に吸い付くような柔らかさだ。

そして、実際に食べれば、蒸したものが明らかにもちもちのふにゃふにゃ(まあ、コンビニで買うのと同じだ)なのに対して、レンジ調理品はやはり、どこか芯が感じられる。パンを食っているような、というか。

さらに驚いたのは、味が違っていたことだ。蒸した方が生地が甘かった。おそらく、食感の違いのせいではあるまい。澱粉と水と加熱の何かの作用が甘みを引き出しているのではないかと思う。糖がどうとか、そんな話で。面倒なので調べないけど。

なので、これからは断固、蒸すチルド食品は蒸すと決めた。

しかし、だからといって蒸し器を買うのは邪魔だし嫌だ。鍋に入れて使う変な羽みたいな簡易蒸し器?も見たことがあるが、あんなのも邪魔だ。そこで、凧糸方式の改良を試みた。

それがこれ。



…我ながら、器用なものだと思っている。2本の綱渡りだった凧糸の二カ所を結び、それを別の糸で外側から引いて蜘蛛の巣状にした。凧糸がもったいなかったから別の糸でやったけど、最初からこうするつもりなら1本でも出来るな。台所スポンジを載せてテストしたが、肉まんくらいなら、十分に安定して乗りそうだ。

…まるで亀の甲羅のような幾何学的パターンだ、という点から余計なことを着想しそうになるが、それはしなくていい。ただ、こういうことをさらっと思いついて実現できる自分のクリエイティブさに感心してしまった。




追伸

夕食にはチルドシュウマイを食った。この時点で、鍋の中にお菓子作りようの「ふるい」を伏せてやれば見事に蒸し器になるということを発見し、上記のアイデアはお蔵入りになった。

ま、シュウマイも、レンジ調理より格段にうまかったわ。皮のもちもち感が違う。蒸すのが、すっかり気に入ってしまった。今度はあんまん食べよう。

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