2009年7月30日木曜日

世直しバカ

昨日は、久しぶりに運動をした。

会社の近くの、公営のスポーツセンターで泳いだのだ。思っていた以上に体は鈍っており、ろくに泳げないし、その割りには終わってみれば体は重いし痛いし。

最近、はやくも年のせいか、運動後の筋肉痛が翌日以降に出ることが増えてきたが、さすがに、あまりにも普段は全然使ってない筋肉を使ったせいか、即座に反応した(あちこち痛くなった)感じだ。


電車では運良く座れて、文庫本を読んでいた。


正面ではないが、近くに、婆さんが立っていた。その近くに、ガタイのよい若いサラリーマンの二人連れがいた。

で、こいつらが死ぬほどウザかった。


多少、その前のいきさつもあるんだが、とにかく、最終的には、片方が

男「おうおう!最近は誰も席も譲ろうとしないなんて嫌だねえ!」
男「じーっと本なんか読んじゃってよお!何がおもしろいんだろうねえ!くそつまんねえ本読んで!」
連れの男「また露骨な!(笑)」
男「俺は露骨だからね!!」

とか、デカい声でがなり始めたのだ。



あまりのウザさに5秒ほど注視してしまい、思い切り目を合わせてしまったものの、ここで「メンチ合戦じゃあ」とか考え始めたら俺も猿の仲間入りかと思い、読書に戻った。


実際のところ、婆さんの真正面には若い女性が座って本を読んでいたから、そっちがメインターゲットで、俺あたりはサブ?だったのかも知れない。

でも、そういうことはもっと露骨に指名してもらわないとわからないね。

露骨さが売りなら、誰か一人捕まえて、「あなた譲って差し上げては?」と言えばいいのだ。大声で空中に怒鳴っても仕方ない。

だいたい、婆さんは座りたいなら背後に5歩進み優先席に座ればいい。それが出来ないほど足腰弱っている風情じゃないし、それをしないのは立てるという宣言だ。
反して、婆さんの目の前の女性が、若いからと言って立つのがつらくないと、何をもって判断できようか。酷く疲労しているかも知れないし風邪かも知れないし、内臓疾患があるかも知れないし、妊婦かも知れない。


電車に乗っていて、この手の「世直し」を始めるバカは何度か見たことがある。彼らは良いことをしているつもりなんだろうが、そんなやり方で良いことが出来るのは、昔ののどかな田舎の村くらいだ。

都会には、いろいろな人がいろいろな事情で暮らしている。迂闊に予断で物事を判断するべきじゃないし、そのために、優先席などのシステム化されたルールが存在している。

それがわからないオツムテンテンな野郎は、おとなしく家からチャリで行ける範囲の地元企業にでも就職していればよいものを、いっちょまえに電車通勤などするなと言いたい。



こういうのがあると、葛藤するのが、間接的に売られているのかも知れない喧嘩を買って出るべきなのか、ということだ。

そうしたことも過去に皆無ではない。だが、やはりそんなことはすべきでない、と今は思っているし、しない。したくない。


相手は、二人だし、ガタイも俺よりいい。強気だ。

だが、強気なのは二人いるからだ。つるんでるから強気になっている。ひとりならあんなこと言うまい。だから周囲への恫喝?を、言葉上は連れとの会話の形にするのだろう。
俺は力は弱いが、その程度の人間になら絶対に勝てないとも思っていない。でも、弱い俺が程よくカッコよく勝つのは無理だ。やるなら先手必勝で急所狙いしか出来ない。でなきゃ負ける。

だとすると、この喧嘩を買う場合、傷害事件を覚悟しなくてはならない。それがないと、つまり、喧嘩を買ったような口ぶりで突っかかっても、実は「殴り合いにはなるまい」とタカを括っているわけで、そんな腰の引けた状態でデカい口を利くのは、バカでしかない。しかもこんな程度の些細な問題で。

だから、俺は視線を戻して読書を続ける。喧嘩なんかしたくない。暴力は代償が高いし痛いから、関わりあいたくない。




この手の、何か、誰かに喧嘩を売るような口をきく社会人というのは、電車内に限らず、会社組織内などにもしばしばいる。男女問わず。

大抵は、そんな「喧嘩上等で遠慮ない自分」を喧伝しているし、それがカッコいいと、そんな自分がビッグだと思っているのが見え見えだ。


だが、そういう場合でも、ごく近しいケース以外、相手を特定しないで言うヤツが多い気がする。

つまり、

「もしXXな話になったら、ふざけんなって言ってやる」
「(ここにはいない誰かの話題で)マジでぶん殴りてえ」

な話。


でも、実際にそのシチュエーションになると、

「まじで殴りたかったけどギリギリ耐えたよ」

であって、実際にはもちろん殴っていないし、それどころかまともな抗議もしていなかったりする。

「怒り過ぎて話する気が失せた」

とかって。


結局、何もしていない。


何も起こらない予定調和を本能的に狙って、波を立てない程度にバチャバチャと騒いでいる。
それなら最初から黙っていて欲しい。


JOJOで、プロシュート兄貴は、ギャングは「ブッ殺す」という台詞は使わないと言った。そう思った時には相手は死んでなければいけないから、言う必要がないのだそうだ。そうだと思う。

我々はギャングじゃないから殺しはしないが、喧嘩をするつもりなら、宣言するより先に殴るべきであって、そこまでやる気がないならイチイチ騒ぐべきじゃないと思うわ。

騒がないで、普通に話しをして物事は解決すべきだ。口喧嘩は、より一層、みっともない。

まあ、とは言え、喧嘩を買うでなく、聞き流すはずがこんなところで不満をブチまけるあたり、俺もまだまだ弱い上に人間が小さいと認めざるを得ないか・・・。

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