2009年12月20日日曜日

最愛の娘の肩が!

娘は1歳2ヶ月。

超可愛い。こんな陳腐な表現がぴたりと嵌るほど可愛い。


今日は、朝からカブでツーリングにチャレンジという意気込みは「寒波襲来だし」と挫け、家で妻と娘とゆっくり朝食。まあ、朝は平日も一緒に食ってんだけど。

娘は最近は食パンと水が好きで(聖者のようだ)、見せてしまうとそれしか食わないので、離乳食を食べる娘の横ではベーコンエッグのみ食い、娘が離乳食を食い終わってから、おやつの食パン(真ん中のみ)を与え、俺もおかずなしでパンのみを食べるという変則的なスタイルも苦にはならない。

食い終わってから娘が俺の手をとってリビングの中央に引っ張って行き、両手でぶら下がるようにしながらビリケンのようなスマイルを浮かべてブヒャブヒャと笑っているので、手をとって持ち上げてやると大喜び。
そのまま三度ほど上げ下げしてやったら爆笑していた。

そうっと着地して降ろすと、ニタニタしながら座っていた娘が突然マジ顔に。まあ、うちの娘はムスっとしてることの方が多いのだが…様子がおかしい。

左手で、自分の右手を掴んで、動かしたりして、怪訝な表情。

…とっさに「まさか!」と思い、指を掴ませると軽く握る。手首を掴んで異常はないかとさすってみるが、折れてる様子はないものの、いやに細くて、まだこんなに弱かったっけ、そりゃ一歳だもんな、と突然そんな想いばかりが駆け巡る。

おもちゃを渡す。落とす。

丁度、妻がマグマグで水を持って来たので渡すと、痛めたように見えた右手を差し出して掴もうとする。なんだ気のせいか…と思った刹那。

右手でマグマグを掴み、俺がマグマグを離して腕に重みがかかった途端、「ゔあァアア!」と泣き叫んで落とす。

…俺、顔面蒼白。

ダメだ、こりゃ骨折か脱臼だ…。

本人は慣れた?のか、意外と普通にしているが、右手を一切使わず、常にだらんと垂らしている。たまに動かそうとして泣きかけるが、すぐに「あ、いけね動かさなきゃいいんだ」と言わんばかりに右手をだらんとさせて泣き止む。

肩が抜けている臭いがぷんぷんするぜ…。


今まで、妻の功績もあり風邪一つ引かせずに大事に育てて来たのに。俺が!腕を!使えなくしてしまった!


日常、会社でもクールでトラブルに動じないという評価を受けているはずの俺だが(期待)、それは、ビビリやすくパニクりやすい自分の弱さを知っていて常にリカバリーに努めているからだ。

最愛の娘を自ら傷つけたショックに、動悸が早くなり視野が狭くなるのを感じる…。

が、こんな時こそ、いまだ混沌としてWebシステム開発プロジェクトの闇の中で、PMとは名ばかりの便利屋として、顧客と配下のプログラマに部長に外部SIerからの絶え間ないプレッシャーを受ける内憂外患四面楚歌、絶体絶命危急存亡の状況を、監督兼任エースで4番として切り抜けて来た(かなり誇張)俺のハードコアIT戦士としてのスキルが試されるのではないか!

そうだ、まずはいつものようにダイニングテーブルの上にも常に起動中のMacBookで検索だ!…応えよGoogle!

…!

応えない!?いや、呼びかけが通じていない!?と言うか普通に言うとDNSが応答しない!もっと普通に言うと、自宅内かプロバイダのどっかのネットワークトラブルでインターネットが見えない!



次々と迫り来る危機に一瞬我を失い叫び出したくなったが、紙一重で市の広報紙に緊急相談窓口の記載があったことを思い出し、電話。2、3箇所をたらい回ったが無事に休日に診療している整形外科を紹介してもらうことが出来た。

場所を確認しようとしてGoogle Mapsが見えないことで一瞬またパニクりかけたが、よく考えたらGarminがあったじゃないの、ということでルートもオッケー。

緊急とは言え流血してるわけじゃないから、顔ぐらい洗って落ち着いて運転するべ、と準備にとりかかる。

妻も用意をするので、娘をその間おとなしくさせるために「おかあさんといっしょ」の録画を見せておいた。
よろこんで液晶画面に貼り付く娘はご機嫌だが、右手はだらんと下がったまま。不憫だ…。


急ぎ顔を洗い、整髪もそこそこに在り合せの服を来てリビングのドアを開けると、気づいた娘が振り返り、

「あう!あう!あう!」

と、ビリケン顔で気勢を上げながら迫って来るではないか。


…両腕を高々と突き上げながら。

あれ?

試しにハイハインなど持たせてみても、右腕でしっかり掴んでむさぼり食って悦にいっている。

ハマった?


そう言えば、部屋を去るときにも、娘はテレビに合わせて片腕で踊っていた。たぶん、興が乗って来てうっかり力を入れてしまい、結果として自力で嵌めてしまったのだろう。


とは言え、やはり心配なのでそのまま医者には行ったが、先生は多少の触診をして「何も問題ない」とのこと。

…良かった。いやほんとに。

ついでに厳つい先生がややニヒルな表情で補足してくだすったお言葉では「だいたい日曜にね、お父さんが遊ぶと脱臼するんですよ。…いつもやってないから」

うるせえよ!診てくれたのは感謝するけどよ。わかってるわそんなことは!俺がいつも遊んでやれる自宅警備員とかやってたら飯食えなくなるだろうが!



ま、そうは言っても、実は子どもの腕が抜け易いこと、それは休みの日の父親がやりがちなこと、そういったことは知ってはいた。知っていたけど、最近急激に足取りもしっかりして来た娘の姿に浮かれて気が緩んでしまった。俺が愚かだったことは認める。娘と妻に申し訳ない…。

帰り道、愛車の後部座席に右手でハイハインの欠片を投げ散らかす娘に、反省しつつも安堵するのであった…。

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