2010年2月27日土曜日

アンパン

愛娘は1歳にしてようつべファンだ。

PCの液晶モニターの電源を入れてマウスをガチャガチャ弄って催促をしてくる。親などには小さいうちからパソコンなんて、と言われそうだが…テレビしかりゲームしかり、新しいものから子どもを遠ざけようという努力に大抵は意味はないと思うので、俺は幼児がネットのコンテンツを見る事に問題は感じない。

むしろ、液晶モニタに映るコンテンツと、マウス操作が連動しているということを理解し始めていることは素晴らしいと思うね。現実とバーチャルの区別が云々…などという世迷い言は聞く耳持たない。1歳でもそんなものは混同していない。人間はそんなに愚かじゃない。少なくとも俺の娘は。

また、ネット上の粗悪な情報に子どもが不用意に接する危険性も取りざたされているが、邪悪なコンテンツが紛れているのはテレビも雑誌も書籍も会話も同じだ。ネット云々ではなく、しっかりと然るべき配慮と教育をすることが重要なのだ。

だいたい、そこまで危機感煽るなら、そもそも電車の中吊り広告で卑猥、下品、暴力的な煽り文句と写真を陳列するのをまず止めさせるべきだろう。

話が逸れた。

…だいたいそんなこと力説しなくても、1歳の娘はまだ俺が再生したものしか見られないのだ。


で、例えばこんなのを見たりしてる。



アンパンマンのマーチのフルバージョン。

♪愛と勇気だけが友だちさ—のヤツだ。あれは2番なんだが、1番や3番の歌詞も濃かった。濃過ぎる。

そもそも、作者のやなせたかしが、特攻隊員だった弟を想って書いた詩だ、との話もある。俺が子どもの頃には既にアンパンマンの絵本はあったが、親が買ってくれなかった(他の絵本は結構たくさん買ってもらったと思う)のは、そういう背景もあったのかな。俺の親は、そのあたりは多少偏った思想を持っていたからな。


まあ、俺も特攻というのは美化できない、愚か極まる作戦だったと思っている。効力効率の問題も酷いが、それ以前の問題だ。

だが、特攻作戦が愚かだということと、当時の状況の中で特攻に従事した兵隊が愚かだということは同じじゃない。また、近しい者を特攻に送り出さなければならなかった者の想いが即ち愚かであるわけでなく、それに共感することが即ち戦争賛美であるわけではない。

やなせたかしが、アンパンマンのマーチに特攻隊員の姿を重ねたという話、一次情報にはあたってないから真偽も真意もわからないが、歌は歌として、そこに表現されている範囲から読み取れることを評価すればいい。

…最近のアニメではやってないようだが、そもそもは、腹ぺこの旅人に自らのパワーの源であるアンパン=顔を差し出すアンパンマン。何度も懲りなく悪事を働くバイキンマンを殲滅しないアンパンマン。敵の撃滅より被害者の救助を優先するヒーロー。ジャムおじさんに作られたアンパンマン。何のために生まれたのか。何をして生きるのか。

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