2009年2月19日木曜日

強くあれと

親父にはそう云われ育てられた。

とても昔の話。

が、強くなるための具体的な方策は与えられなかった。そもそも、俺は体格は平均よりやや小柄。筋力は弱め。肝も座っていない。身体的に弱い。
だから空手を習いたいと、子どもの頃に親父に言ったら、「そういうことをすると人間が調子に乗って傲慢になり、暴力に頼り暴力に潰される」と言うようなことを、もっと陳腐な言い方で諭された。…昔に琉球空手だかなんだか齧って俺をすぐ張り飛ばす自分を棚に上げやがってクソ。

ま、その後も、ずっと俺は喧嘩も弱く、おかげでグレることも出来ずに勉学に勤しみ大学を出ておそらく全うな社会人にもなれたので良いとしよう。

で、その社会人になってしばらくしてから、会社の近くの空手道場に入門した。いい歳こいた社会人相手の道場だから、そう恐ろしいところではなく、スポーツジムに近い感覚もあるが、気づけば3年以上。

俺も少しは強くなったのだろうか。

もっとも、世界の男の格闘強さ偏差値で見れば、段すら持ってない自分がそう強いとは思わないが、ただ、3年前の自分が相手ならきっと確実に勝てるという感覚はある。体力はそう変わらないが技術は少しは身に付いたと思うから。

それはつまり、幼い頃に憧れた「強い男」へ、わずかばかりなり近づいたということか、と一瞬思うが…

大人の強さのパラメータは幼少期とは比べ物にならないほど複雑化していて、突きや蹴りでは解決できない問題が多過ぎるのだった。

とは言え、そういった鍛錬がもはや何の役にも立たないかと言えば、仕事で大揉めした会議で取引先に恫喝的な態度で臨まれても怯まない役にくらいは立つのだから世の中は笑ってしまう。嘲笑ってしまう。


ま、結局のところ、歳を重ねるほどに、頭も体も意識して鍛えなきゃいけない所ばかり増えて、難儀な話だ。


今日は久しぶりに稽古に行ったのだ。いい汗を掻いた。


しかし、稽古は久しぶりの汗を楽しむ程度じゃ役には立たないものだろう、それが問題だ…。

精進精進。

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