2009年8月22日土曜日

原色卑近生物図鑑 アブラゼミ 《油蝉》

8月も後半になると道端には蝉の死骸が増えてくる。

が、これは生きている蝉。

ただし、飛べずに地面をのたうちまわっていた。翅が傷んでいるわけでもないのに翔べないのは、寿命が尽きて衰弱しているのだろう。
力を振り絞っても飛び立つことが出来ず、もはや壁に掴まる余力も無く、鳴き声すら途切れ。

どんな気持ちでいるだろうか?
死の概念がわからずとも、己の最期が迫っていることは、わかるだろうから。

哀しい。哀しい?
いや。

無事に成虫になり鳥に食われもせず、余命を使いきったのだから…大往生なのだろう。

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