2010年1月1日金曜日

煮豚のレシピ(ドクターペッパー使用)

タイトルはわかりやすく付けた。
俺の付けた正式な料理名は、「豚ロース肉のドクターペッパー煮込みジンジャー風味貴族風」だ。

え?何か違和感を感じるかい?いや読み間違いでも書き間違いでもないぜ。イエス! メンズ・キュイジーヌ with Dr.Pepper!だ。

…まあ、こんなものを作ろうと思った経緯を一応書いておくと…
なんとなくここ数年の習慣として、大晦日には煮豚を作って正月などに食っていたのだが、今年は手を抜きたくてですね。ちょうど年末に炊飯器を買い替えたので、いらなくなった古い炊飯器を使いつつ、極力簡単でかつうまそうな、それでいて今年の短い冬休みの中でちょっとした遊び心を満たすレシピはないか、と思案した結果である。

さて。

最初に言っておくべきことは、俺はゲテモノを作ろうとしてるのではなく、真面目に正月に美味しく味わうための料理を作ろうとしているということだ。

その為にドクターペッパーをチョイスした理由、むしろ科学的仮説について述べておこう。

  • まず、前提として俺はドクターペッパーは飲み物として好物である
  • 世には、実は「コーラ煮」という調理方法は知る人ぞ知るお手軽&美味レシピとして存在している
  • ドクターペッパーの味は概してコーラに近いから、上記事実からすればドクペ煮もけして無謀ではない
  • ドクターペッパーのフレーバーは「20種類以上のフルーツ」だそうだ。肉の煮込みにフルーツを使うのは常道だ。
そう、背景的に考えて無理はない。

肉料理にドクターペッパー(コーラであっても)を用いる際の違和感として「炭酸」「甘い」があるかと思うが、
  • 炭酸は肉を柔らかくする効果があり、煮るうちには飛ぶ
  • 煮豚はそもそも普通に使っても結構多くの砂糖を用いる

という事実を考えれば、これらの点には何の問題もないことがわかる。

ま、そして重要なのはウチの冷蔵庫には既にドクターペッパーがあったということかな。無ければコーラを買って来た気もするわ。


ともかく、上記の通りの科学的推論により、ドクターペッパー煮込みは美味い可能性を支持する根拠はいくつかあるが不味いと断定する根拠は見当たらないという結論を得て、いざ実践というわけだ。

では、せっかくなので料理ブログ風に以下紹介。



まず、基本の材料だ。

ネギは青い所だけ。年越し蕎麦の薬味の残りだからとてもリーズナブルだ。

ドクターペッパーは500mlの1本。

豚肉は肩ロース、煮豚用にネット付きで売っていたもの。いつもは国産肉を買うことが多いが、今回はドクターペッパーとの相性を考えてアメリカ産をチョイス。
500gほどの塊である。

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豚肉は、表面に軽い焦げ目が欲しいのでまずフライパンで焼くことにした。焼こうと思ったら塩胡椒したくなって、塩と黒胡椒(細)をすこぶる適当に振りかけた。

強火で表面を焼き、粗いみじん切りにしたネギ(青部分)をトッピング。刻んだのはその方がエキスがよく出るような気がするからだ。

そして、ドクターペッパーを1本注ぎ入れて中火で沸騰させる。もう後戻りはできない。

沸騰し、灰汁が出たらすくって捨てる。あまり根気強くはやらない。作業中、甘い香りに多少不安になる。

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炊飯器に移動。一人暮らし開始以来、結婚を経て10年近く使い続けた無印良品の三合炊炊飯器(確か3500円くらいだった)には肉がそのままでは入らず、仕方ないので2つに切った。生ハムみたいで美味そうだ(つうかただの生だ)。

ちなみに無印の商品は安くても10年保つ、という良い話がしたいわけではない。実際、ずっと前から蓋の蝶番が壊れている。普通ならとっくに捨ててるだろうが、炊飯にこだわりがない我が家ではなんとなく使い続けていただけだ。

フライパンに残ったドクターペッパーには、煮込み時向けのフレーバー調整を施す。
まず、醤油を大さじ4追加。2さじ入れてからは、味を見ながら。4さじでも「甘いな」と思ったが、醤油を入れても甘さが消えるわけではなく、却って強烈な味になる恐れがあるので止めた。

さらに、風味付けにと焼酎貴族トライアングルを50ml程度注いだ。炭酸飲料と甲類焼酎の相性はいいはずだ。

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フライパンからドクペ汁もネギとともに注ぐ。そのままでも良かったのだが、つい「せっかくだから」という欲が出て、冷蔵庫を開けてアドオンできそうなものを物色。

チューブ生姜を4cmほど、ニンニクを2欠片、鷹の爪を少々を追加した。

少なくとも見た感じはだいぶいい。

蓋をして、炊飯開始。ちょっとドキドキ。と言ってもクッキンアイドル的に「たまの失敗はスパイスかもね♡」とか余裕こいてはいられない。失敗したら正月のもっとも肉々しいツマミがなくなってしまう。ちなみにクッキンアイドルは俺が趣味で見てるわけじゃない。最近のNHK教育の子ども番組はお父さんを籠絡しようとしているのかとしばしば感じてしまうが俺は落ちてはいないと言っておく。

スイッチを入れてから年越し蕎麦を鴨ネギで作って食っていると、炊飯器から非常に良い香りが立ちのぼって来た。…あきらかに生姜とニンニクが食欲をそそっている気がするが、ベースラインにドクペがいるはずだ。美味そうだ。

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そして1時間後。

切って見るとなかなか良い感じだ。

もう少し時間短くても良かったかも知れない(保温でしばらく放置してしまったし)。

と思ったが…

一切れ試食してみると、十分に柔らかい!そして、美味い!

結局、ドクターペッパーの味自体は、甘さ以外はほとんど消えている。その甘さも、確かに甘いが、別に悪い状態じゃない。表面は甘めで、薬味がぴりっと効いているが、頬張ると豚肉本来の甘めの風味が広がり、ラストノート(笑)に20種類のフルーツフレーバー由来の仄かな香味が。

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寒い部屋で冷やしてあったのを晩のツマミとして切った。冷えてると油が固いからレンジで温める方がいいかも知れない。…が、そこはまあお好みだな。

そのままでもイケるが、薄めの味なので粒マスタードやマヨネーズを添えて食ったりした。

…本当は普通に和辛子を付けようとしたら無かっただけだが。

とにかく、「食えなくない」という意味じゃなく、あくまでもポジティブな評価として普通に、いやかなり美味いし、俺が過去に作った中ではもっとも美味かった。


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結論、仮説は正しく、ドクペ煮込みは美味い。最高の調理法でないのは確かだが、仮に上記のレシピの「ドクターペッパー」を「水」と読み換えて作ったら、それはそれで食えるだろうが、このコクは出ない。そういう意味で十分に美味いと言える。

ただ、たぶんコーラの方がもっと美味いだろうなと思う。食った感じと、脳内でコーラの味とドクペの味を足し算引き算すると、そんな気がする。次はスタンダードにコーラで煮てみるかな。


あと、煮豚の煮汁は保存して再利用することが多いだろうが、ドクペ汁は敢てそうしたいと思わなかったので、捨てた。最初の炭酸がないと意味がないし。

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